胆のう結石(胆石)という石が主に胆のうで作られます。その胆石が時に痛みの原因になったり、胆嚢からの胆汁排泄を妨げ、胆嚢炎を引き起こしたりします。
無症状のことも多いですが、一般的な症状としては、右の脇腹の激しい痛みが典型的で、これに右肩や背中の痛みを伴う場合もあります。また、鈍い痛みや重い感じなどの症状として自覚されます。
疝痛発作以外にも、吐き気や嘔吐などもしばしば伴います。炎症が加わる(胆嚢炎)と発熱もみられ、結石が総胆管に詰まると黄疸や肝障害も併発します。また、膵管を閉塞させた場合、膵炎を発症する場合もあります。
胆石発作は、脂肪の多い食事を摂った後や、食べ過ぎた後の夜中に起きやすいという特徴があります。
血液検査や画像検査(超音波検査、CT、MRCPなど)で胆石の存在を診断します。
また胆嚢炎や胆管炎、それに伴う膵炎なども診断された場合、緊急の処置または手術が必要となる場合があります。
当院内科では2を主に担当いたします。1の手術に関しては外科と連携して、どちらを優先させるべきか、患者様の状態を考慮し、ガイドラインに基づき判断させていただいております。
ESTとは、内視鏡的乳頭切開術Endoscopic Sphincterotomyの略語で、内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部を切開します。乳頭とは、大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)のことで、十二指腸の中間あたり(胃の出口から約10cm)の粘膜部分に存在しています。この部分は、肝臓や膵臓から分泌される胆汁や膵液の出口になっており、ここから食事と混じり合い分解および吸収に働きます。
十二指腸乳頭の開口部は、胆管に比べ非常に狭いため、十二指腸乳頭の乳頭括約筋を内視鏡の電気メスで切開します。切開することにより、出口を広げて、胆石や胆汁の排泄をスムーズにします。それにより、鬱滞(うったい)していた胆汁をドレナージすることができ、胆管炎や膵炎などの症状が改善します。